古いWordPressテーマを使い続ける4つのリスクと乗り換え方

古いWordPressテーマを使い続ける4つのリスクと安全な乗り換え方

何年も前に作ったWordPressのサイト、テーマの更新が止まっていませんか?表示されていても、実は危ない状態かもしれません。

テーマというのは、それってどういう意味ですか?

サイトの見た目や間取りを決める「内装一式」のようなものです。これが古いままだと、セキュリティの穴やサーバー更新での表示崩れが起きやすくなります。

見た目は普通なので安心していました。何を確かめればよいのか知りたいです。

この記事の結論

更新が止まったWordPressテーマは、表示に問題がなくても乗り換えを検討すべきです。2025年に見つかったWordPress関連の脆弱性11,334件のうち9%はテーマにあり、更新されないテーマでは穴が残り続けます。PHP 8.2の安全面の修正も2026年12月末で終わるため、サーバー更新で表示が崩れる前に、検証用のコピーで乗り換えを試すのが安全です。

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はじめに

「ホームページは何年も前に作ってもらったまま。表示もされているし、特に困っていない」。WordPressで作ったサイトを、そうした状態で使い続けている方は多いのではないでしょうか。ところが、見た目を決めている「テーマ」の更新が止まっていると、ある日突然レイアウトが崩れたり、気づかないうちに攻撃の入口になったりすることがあります。

結論からお伝えすると、更新が止まったテーマは、表示に問題がなくても早めに乗り換えを検討すべきです。WordPressを動かしている土台のプログラム「PHP」のうち、8.2という版は2026年12月31日で安全面の修正が終わります。サーバー側の更新をきっかけに、古いテーマが動かなくなるケースは珍しくありません。

本記事では、古いテーマを使い続ける4つのリスクと、自分のテーマが古いかを確かめる方法、乗り換えで失敗しないための進め方を解説します。数年前にWordPressでホームページを作った、経営者やWeb担当者の方に向けた内容です。

古いWordPressテーマとは?「表示されている」が落とし穴

WordPressテーマの更新が止まる3つの原因と、最終更新日・編集画面と公開画面・PHPバージョンの確認ポイント

テーマとは、WordPressサイトの見た目や配置を決める部品のまとまりです。お店にたとえると、内装と間取りにあたります。まずは、どんなテーマが「古い」といえるのかを整理しましょう。

更新が止まったテーマが「古いテーマ」

古いかどうかは、作ってからの年数では決まりません。判断の基準は、開発元による更新が続いているかどうかです。よくあるのは次の3つのパターンです。

  1. 配布や販売が終了し、開発元が更新をやめたテーマ
  2. 制作会社が作ったオリジナルテーマで、作った会社と連絡が取れなくなっている
  3. テーマのファイルを直接書き換えたため、更新すると直した部分が消えてしまい、更新を止めている

3つ目は、サイトの持ち主が気づきにくいパターンです。管理画面に「更新があります」と表示されていても、押すと見た目が変わってしまうため、そのまま放置されています。原因は、元のテーマに直接手を入れてしまったことです。本来は、元のテーマを残したまま変更点だけを別に持たせる「子テーマ」で直すべきところでした。

自分のテーマが古いか確かめる3つのポイント

専門知識がなくても、次の3点で確かめられます。

  1. 管理画面の「外観」→「テーマ」でテーマ名とバージョンを確認し、配布元のサイトで最終更新日を見る(1年以上止まっていたら要注意。制作会社のオリジナルテーマなら、最後に手を入れてもらった時期を確かめる)
  2. 投稿の編集画面で整えた見た目が、公開ページでもそのとおりに表示されているか
  3. レンタルサーバーの管理画面で、PHPのバージョンが8.3以上になっているか

1つでも当てはまらない項目があれば、次の章で紹介するリスクを抱えている可能性があります。ただし、PHPのバージョンは自己判断で上げないでください。古いテーマのまま上げると、その場で表示が崩れることがあるためです。上げるのは、検証用のコピーで動作を確かめてからにしましょう。

古いテーマを使い続ける4つのリスク

古いWordPressテーマの4つのリスク:セキュリティの穴、突然の表示崩れ、更新のしづらさ、スマホ表示と速度の問題

古いテーマのリスクは、大きく4つに分けられます。怖いのは、どのリスクも「表示されている間は気づけない」ことです。

セキュリティの穴がふさがれないまま残る

更新が止まったテーマでは、弱点が見つかっても修正されず、穴が空いたまま残ります。脆弱性とは、攻撃に悪用されうる弱点のことです。セキュリティ企業Patchstackの調査によると、2025年に新しく見つかったWordPress関連の脆弱性は11,334件でした。そのうち9%は、テーマで見つかっています。

更新が続いているテーマなら、修正版が配布されて穴はふさがります。しかし更新が止まったテーマでは、鍵が壊れた裏口を開けたまま営業しているような状態が続きます。攻撃者は、弱点のあるサイトを機械で自動的に探しています。つまり、小さなサイトだから狙われないということはありません。

サーバーのPHP更新で、ある日突然表示が崩れる

古いテーマは、サーバー側の更新をきっかけに、ある日突然動かなくなることがあります。PHPは、WordPressを動かしている土台のプログラムです。WordPress公式はPHP 8.3以上を推奨しており、8.2は2026年12月31日で安全面の修正が終わります。サポートの終わった版は、サーバー会社が提供を終えたり、新しい版への切り替えを案内したりするきっかけになります。

たとえるなら、テナントビルが古い電気設備を新しい規格に入れ替えた結果、古い規格に合わせて作った内装の照明がつかなくなるようなものです。画面が真っ白になる、問い合わせフォームが送れなくなるといった不具合は、この切り替えのタイミングで起こりがちです。サイトの持ち主が何もしていなくても、サーバー側の都合で壊れる点が、このリスクのやっかいなところです。

ブロックエディターに対応せず、更新がしづらくなる

古いテーマを使い続けると、自社での更新がだんだん難しくなります。WordPressは2018年の5.0から、ブロックを積み重ねてページを作る「ブロックエディター」を標準にしています。ところが古いテーマはこれを前提に作られていないため、編集画面で整えた見た目が公開ページでは崩れる、使える装飾が少ないといったずれが起きます。昔の編集画面に戻すプラグインに頼っているサイトも少なくありません。結局は写真の差し替えや見出しの追加まで制作会社に頼むことになり、更新のたびに費用と時間がかかってしまいます。

スマホ表示や表示速度で、集客に不利になる

古いテーマは、パソコンで見ることを前提に作られているものが少なくありません。スマホで文字が小さすぎる、ボタンが押しにくいといった状態では、せっかく訪れたお客様が離れてしまいます。また、使っていない機能まで読み込む作りのものも多く、表示に時間がかかります。Googleはスマホで見たときのページを基準に評価しているため、検索からの集客にも響きます。

モダンなテーマへ乗り換える3つのメリット

モダンなWordPressテーマへ乗り換える3つのメリット:安全性の維持、自社での更新、スマホ表示と速度の改善

ここでいうモダンなテーマとは、定期的に更新され、ブロックエディターと最新のPHPに対応しているテーマのことです。乗り換えると、先ほどの4つのリスクをまとめて解消できます。

更新が続き、安全を保ちやすい

開発元が更新を続けているテーマなら、弱点が見つかっても修正版が届きます。PHPやWordPress本体の新しい版にも、開発元が合わせてくれます。サーバー会社からの「PHPのバージョンを上げてください」という案内にも、慌てずに対応できるようになります。

自社で文章や写真を更新しやすくなる

ブロックエディター前提のテーマなら、文章を書くように見出しや写真、ボタンを並べられます。お知らせの追加や写真の差し替えを自社で回せるようになると、制作会社への依頼費用と待ち時間が減ります。季節のメニューやキャンペーンも、思い立ったその日に載せられます。

スマホ表示と表示速度の土台が整う

最近のテーマは、スマホで見ることを前提に作られています。画面の大きさに合わせてレイアウトが自動で切り替わり、余計な読み込みも抑えられています。お客様が読みやすく、検索エンジンにも評価されやすい土台が、テーマを替えるだけで手に入ります。

乗り換えで失敗しないための進め方

WordPressテーマを安全に乗り換える3ステップ:テーマ選び、引き継ぐ機能の確認、バックアップとテスト後の切り替え

テーマの乗り換えは「着せ替え」ではなく「引っ越し」です。荷物を確かめずに引っ越すと忘れ物が出るように、準備なしでテーマを切り替えると、思わぬ部分が消えてしまいます。次の3つの手順で進めましょう。

新しいテーマを選ぶ3つの基準

テーマ選びでは、デザインの好みより先に次の3点を確かめます。

  1. 直近数か月以内に更新されているか
  2. 利用者が多く、使い方の情報や質問の窓口があるか
  3. ブロックエディターに対応しているか

見た目が気に入っても、更新が止まりかけているテーマを選んでは、数年後に同じ悩みを抱えることになります。

ショートコードや独自装飾の「置き土産」を洗い出す

ショートコードとは、記事の中に [button] のような短い記号を書くと、テーマがそれをボタンや装飾に変えて表示する仕組みです。前のテナント専用の合言葉のようなもので、テーマを替えると通じなくなります。新しいテーマでは、記号の文字列がそのまま画面に表示されてしまいます。テーマ独自のブロックも同じで、編集画面では読み込めないブロックとして表示されます。

ほかにも、サイドバーやメニューの設定、テーマに直接書き込まれたアクセス解析のコードは消えやすい部分です。「施工事例」のようなテーマ独自の投稿の仕組みも、表示されなくなることがあります。私たちが実務でテーマの移行を手がけるときも、最初に行うのは、こうした置き土産を全ページ分数え上げる作業です。数が分かれば、作り直すページと体裁を整えるだけのページを、切り替える前に仕分けられます。

テスト環境で確認してから本番に切り替える

いきなり本番のサイトでテーマを切り替えるのは避けてください。まずサイト全体のバックアップを取り、本番とは別の検証用コピーで新しいテーマを試します。本番で直接切り替えると、崩れた画面をお客様に見せながら直すことになるためです。主なページの表示、問い合わせフォームの送信、スマホでの見え方を確かめてから、アクセスの少ない時間帯に本番へ切り替えるのが安全です。

自分で乗り換えるか、プロに任せるかの判断基準

WordPressテーマを自分で乗り換えるかプロに相談するかを、独自装飾・投稿機能・予約やネット販売機能の有無で判断する目安

テーマの乗り換えは、サイトの作りによって難しさが大きく変わります。最後に、自分で進められるかどうかの目安をお伝えします。

自分で乗り換えやすいケース

ページ数が10ページ前後で、ブログ記事が中心のサイトなら、自分で乗り換えられる可能性があります。ショートコードや独自の装飾をほとんど使っておらず、問い合わせフォームがプラグインで作られている場合も、作業は比較的シンプルです。つまり、乗り換えの手間は「ページ数」よりも「テーマに頼っている部分の多さ」で決まります。

プロに相談したほうがよいケース

次のようなサイトは、テーマを替えると機能ごと止まるおそれがあるため、プロへの相談をおすすめします。

  1. 制作会社が作ったオリジナルテーマを使っている
  2. 「施工事例」や「お知らせ」など、独自の投稿の仕組みがある
  3. 予約やネット販売の機能が組み込まれている

サーバー会社からPHPの更新期限を知らされている場合も、期限ぎりぎりではなく早めの相談がおすすめです。

よくある質問

WordPressのテーマを変えると、記事やページは消えてしまいますか?

記事やページの本文はデータベースに保存されているため、テーマを変えても消えません。ただし、テーマ独自のショートコードや装飾、サイドバーの設定、テーマ独自の投稿の仕組みは、表示されなくなることがあります。切り替える前にバックアップを取り、検証用のコピーで確かめてから進めるのが安全です。

テーマを変えると、検索順位は下がりますか?

記事のURLや本文を変えなければ、テーマの変更だけで順位が大きく下がることは多くありません。むしろ、スマホで読みやすくなり表示が速くなることで、評価が上がる場合もあります。ただし、見出しの構成やページのURLまで変わる場合は、事前に影響を確かめておきましょう。

使っていない古いテーマは、削除したほうがよいですか?

有効化していないテーマでも、ファイルがサーバーに残っていれば攻撃の入口になることがあります。使う予定のないテーマは、バックアップを取ったうえで削除しておくのがおすすめです。WordPress公式の標準テーマを1つだけ、不具合時の予備として残しておくと安心です。

有料テーマと無料テーマ、乗り換えるならどちらがよいですか?

大切なのは価格よりも、更新が続いているか、利用者が多く情報が集まっているかです。有料テーマは機能やサポートが充実しているものが多く、自社で更新しやすい傾向があります。無料テーマでも、更新が頻繁で利用者の多いものなら十分に選択肢になります。

まとめ

古いWordPressテーマを使い続けるリスクは、ふさがれないセキュリティの穴、サーバーのPHP更新による突然の表示崩れ、更新のしにくさ、スマホ表示や表示速度の弱さの4つです。どれも、表示されている間は気づきにくいものばかりです。

まずは今日、「外観」→「テーマ」でテーマの最終更新日を、サーバーの管理画面でPHPのバージョンを確かめてください。更新が止まっていたら、ショートコードなどの置き土産を洗い出し、検証用のコピーで新しいテーマを試すところから始めましょう。PHP 8.2の期限である2026年12月末より前に動き出せば、壊れてから慌てずに済みます。

まずは「外観」→「テーマ」で最終更新日を、サーバーの管理画面でPHPの版を確かめてみてください。

それなら今日すぐにできそうです。止まっていたら、どうすればよいですか?

ショートコードなどの置き土産を一覧にして、検証用のコピーで新しいテーマを試しましょう。年末のPHPの期限より前に動き出せば、慌てずに済みます。

壊れてから慌てる前に、まずは確認から始めてみます。

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