Wixから静的HTMLサイトへ移行する手順5つ|速度と信頼感を両立

Wixから静的HTMLサイトへ移行する5つの手順|速度と信頼感を両立

Wixで作ったサイトの表示が遅いというご相談、実はとても多いんです。スマートフォンで表示に3秒以上かかると、半数以上の方が閉じてしまうという調査結果もあります。

半数以上ですか…。うちのサイトも開くのに時間がかかっている気がします。Wixから他へ移すことはできるのでしょうか?

できますよ。ただWixには「エクスポート」、つまりサイトを丸ごと書き出す機能がないので、正しい順番で作り直すのが安全な方法なんです。今日はその手順を5つに分けてご説明しますね。

順番を間違えると危ないということですね。ぜひ教えてください。

この記事の結論

WixはHTMLのエクスポート機能がないため、静的HTMLへの移行は「棚卸し→サーバー・ドメイン確認→再構築→ドメイン切り替え→解約」の5手順での作り直しが基本です。旧サイトを公開したまま並行構築でき、独自ドメインなら検索評価も引き継げます。Wixの解約は全確認が終わった一番最後に行うのが失敗しない鉄則です。

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はじめに

「Wixで自分なりにホームページを作ったけれど、表示が遅い気がする」「開いた瞬間の見た目が、どうにも素人っぽい」——そんなモヤモヤを抱えたまま、数年運用を続けている方は少なくありません。

実は、Google/SOASTAが2017年に公開した調査では、スマートフォンでページの表示に3秒以上かかると、訪問者の約53%が離脱するという結果が出ています。せっかく広告や名刺、SNSでホームページまで誘導しても、開き切る前に半分のお客様が帰ってしまっているかもしれないのです。

この記事では、Wixから「静的HTMLサイト」へリニューアルする手順を5つのステップに分けて解説します。移行のご相談を受ける中で、順番を間違えたために取り返しがつかなくなった例も見てきました。読み終わる頃には、移行の全体像と正しい順番、そして自分でやるか専門家に頼むかの判断基準まで分かる状態になります。

Wixのサイトが「遅い」「移行できない」と言われる理由

Wixサイトが遅い・移行しにくい3つの理由を解説した図

まずは、なぜWixのサイトで速度や移行の悩みが生まれるのか、仕組みから確認しておきましょう。原因が分かれば、対策の方向も自然と定まります。

表示速度の遅さはサーバーと仕組みが原因

結論から言うと、Wixの表示速度は利用者側の工夫だけでは根本改善が難しい構造になっています。

理由は2つあります。1つ目は、サイトのデータがWix社のサーバー(主に海外)に置かれていることです。利用者がサーバーを選んだり、性能を上げたりすることができません。2つ目は、誰でもマウス操作でページを作れるようにするための仕組みそのものが、裏側でたくさんのプログラムを読み込む作りになっていることです。

画像を軽くする、ページ数を減らすといった対策である程度は改善できますが、土台の仕組みは変えられません。賃貸マンションで例えるなら、部屋の模様替えはできても、建物の基礎や配管は住人には触れないのと同じです。

なお、自分のサイトが実際どのくらい遅いのかは、Googleが無料で公開している「PageSpeed Insights」にURLを入力するだけで測れます。ここで表示される「Core Web Vitals」という指標は、Googleが検索順位を決める判断材料の1つとして使っているものです。感覚で「遅い気がする」と悩み続けるより、まず一度測ってみることをおすすめします。数字で見ると、改善すべきかどうかの判断がはっきりします。

Wixにはエクスポート機能がない

もう1つ知っておきたいのが、Wixにはサイトを丸ごと書き出す(エクスポートする)機能がないという事実です。これはWixの公式ヘルプにも明記されています。トップページなどの通常ページはもちろん、ブログ記事だけを他のサービスへ書き出すこともできません。

Wixで作ったページはWixのサーバー上でしか動かない専用の作りになっているため、「データをダウンロードして別のサーバーに引っ越す」ことができないのです。つまりWixからの移行は、引っ越しではなく新居の建て直しが基本になります。

ただし、悲観する必要はありません。文章や画像といった中身は回収できますし、独自ドメイン(〇〇.comなどの住所)を使っていれば、検索エンジンからの評価もかなりの部分を引き継げます。この記事の手順は、その「安全な建て直し」の順番を示すものです。

表示の遅さは「信頼感」を静かに削る

表示速度は、単なる技術の数字ではなく接客の質そのものです。

店舗に置き換えて考えてみてください。入口の扉が重くてなかなか開かないお店と、スッと開いて店員さんがすぐ迎えてくれるお店。商品が同じでも、受ける印象はまったく違うはずです。ホームページの3秒の待ち時間は、実店舗でいえば入口で待たされる時間に相当します。

しかも訪問者は「遅いな」と口に出して教えてはくれません。黙って閉じて、検索結果に並んでいた別の会社へ移るだけです。速度の改善は、目に見えないところで失っていたお客様を取り戻す施策だと言えます。

なお、そもそも移行すべきかどうかを迷っている段階の方は、Wix・ペライチを卒業する最適なタイミングと移行のメリットで判断基準を整理していますので、先にそちらをご覧ください。

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静的HTMLサイトとは?Wixとの違い

Wixと静的HTMLサイトの表示速度・費用・自由度の違いを比較した図

静的HTMLサイトとは、あらかじめ完成させたページのファイルをサーバーに置いておき、訪問者にはそれをそのまま渡すだけという、ホームページの最も基本的な形です。

Wixが「家具も間取りも決められた賃貸マンション」だとすれば、静的HTMLは「自分の土地に建てた持ち家」です。月々の利用料を払い続ける必要がなく、建てたものはすべて自分の資産になります。サーバー会社を変えたくなったら、ファイルごと引っ越せばよいだけです。

注文を受けてから調理する料理と違い、作り置きした完成品を出すだけなので、表示が速いのは当然の結果です。凝った仕掛けを裏で動かす必要がないぶん、壊れにくく、セキュリティ面の心配事も少なくなります。

速度・費用・自由度をWixと比較

比較軸Wix静的HTMLサイト
表示速度仕組み上、遅くなりやすい構造上、速い
月額費用有料プランの支払いが続くサーバー代のみ(月数百円〜)
デザイン自由度テンプレートの制約内制約なし
データの持ち出し不可(エクスポート機能なし)ファイルごと自由に移動可能
更新のしやすさ管理画面から自分で編集可編集にHTMLの知識が必要

表の最後にある通り、静的HTMLの弱点は「自分での更新にHTMLの知識が要る」ことです。だからこそ、毎日更新するサイトではなく、会社案内や店舗紹介のように内容が安定している事業サイトにこそ向いています。お知らせを月に何十件も更新したい場合は、更新機能を持つ別の仕組み(WordPressなど)との併用や比較を検討するのが正直なところです。

Wixから静的HTMLへ移行する5つの手順

Wixから静的HTMLサイトへ移行する5つの手順を解説した図

ここからが本題の移行手順です。大切なのは作業の中身より順番です。特に「Wixの解約」をどこでやるかを間違えると、サイトが消えて連絡先も分からなくなる事故につながります。必ずこの順番で進めてください。

手順1 いまのサイトの棚卸しをする

最初にやるべきは、現在のWixサイトにあるものを全部リストアップすることです。回収するのは次の3点です。

  1. ページの一覧(トップ、会社概要、サービス、アクセスなど)
  2. 各ページに載っている文章
  3. 使っている画像やロゴ

文章はコピーして文書ファイルに保存し、画像はWixの管理画面からダウンロードします。ロゴや写真は、Wixに上げる前の元データが手元にあれば、そちらを使う方が画質の面で有利です。

引っ越しの荷造りと同じで、この棚卸しが丁寧なほど後の工程がスムーズになります。「この文章は古いから書き直そう」といった見直しも、この段階でメモしておくとリニューアルの質が上がります。

手順2 サーバーとドメインの状態を確認する

次に、新居となるレンタルサーバーの契約と、ドメイン(〇〇.comなどの住所)の状態確認です。

確認すべきはいまのドメインをどこで取得したかです。お名前.comなど、Wix以外のサービスで取得したドメインをWixに接続している場合は、接続先を変えるだけで済みます。一方、Wixでドメインを取得した場合は、他社への「移管」という手続きが必要です。移管には数日かかることがあるため、早めに着手しておきましょう。

レンタルサーバーは国内事業者のもので月数百円〜千円程度のプランがあれば静的HTMLサイトには十分です。この費用構造の軽さも、静的HTMLの利点の1つです。

手順3 静的HTMLでサイトを作り直す

回収した文章と画像をもとに、新しいサイトをHTMLで組み立てます。

ここで押さえておきたいのは、旧Wixサイトを公開したまま、新サイトを並行して作れるということです。新サイトはドメインを切り替えるまで外部から見えないため、営業中のサイトを止める必要がありません。店舗でいえば、旧店舗で営業を続けながら新店舗の内装工事を進めるイメージです。

またこの工程は、単なる移植ではなくリニューアルの本番でもあります。スマートフォンでの見やすさ、ページを開いた瞬間に事業内容が伝わる構成、文字の大きさや配色といった読みやすさの調整は、この段階で作り込みます。手順の中で最も専門性が問われる部分です。

手順4 ドメインを切り替えてSEO評価を引き継ぐ

新サイトが完成したら、ドメインの向き先をWixから新しいサーバーへ切り替えます。

同じドメインを使い続ける場合、検索エンジンからの評価は基本的に引き継がれます。ただし注意したいのが、ページごとのURLの形が変わるケースです。旧サイトの各ページから新サイトの対応ページへ**「転送設定(リダイレクト)」を行い、検索エンジンと訪問者を正しく案内する**ことで、順位の落ち込みを最小限に抑えられます。郵便局に出す転居届のようなものだと考えてください。

なお、切り替えの反映には数時間〜48時間程度の時間差が出ることがあります。アクセスの少ない曜日・時間帯に実施するのが安全です。リダイレクトの設計方法や公開後に確認すべき項目は、ドメインそのままでホームページをリニューアルする手順と注意点で詳しく解説していますので、切り替え作業の前にあわせてご覧ください。

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手順5 表示確認をしてからWixを解約する

最後に、新サイトがすべての端末で正しく表示されているかを確認します。パソコンとスマートフォンの両方で、全ページ・お問い合わせフォーム・電話番号のリンクまで一通り触って確かめましょう。

そして繰り返しになりますが、Wixの解約はすべての確認が終わった後、一番最後です。先に解約すると旧サイトが即座に消え、棚卸しの漏れがあっても取り返しがつきません。実際のご相談でも、「解約してから文章を控え忘れたことに気づいた」というケースは珍しくありません。有料プランの更新日が近い場合でも、数日分の重複費用は保険料と割り切って、順番を守ることをおすすめします。

移行前に知っておきたい注意点

Wixから静的HTMLへ移行する前に確認したいフォーム・ブログ・制作会社選びの注意点

手順の全体像がつかめたところで、着手前に決めておくべきことを2つ補足します。

お問い合わせフォームやブログ機能の代替を決めておく

Wixで使っていた機能のうち、お問い合わせフォームとブログは移行時に代替手段の検討が必要です。

フォームは、静的サイトでも外部のフォームサービスやサーバー側の仕組みを使えば問題なく設置できます。一方ブログは、更新のたびにHTMLを編集する運用になるため、記事を頻繁に書きたい方は「会社サイトは静的HTML、ブログは別の仕組み」と切り分けるのが現実的です。ここを曖昧にしたまま移行すると、公開後に「更新できない」と手が止まる原因になります。

自分でやるか、制作会社に頼むかの判断基準

手順1(棚卸し)と手順2(サーバー・ドメイン確認)は、時間をかければご自身でも進められます。判断が分かれるのは手順3〜4です。

HTMLでの再構築とリダイレクト設定は専門領域のため、ここだけ制作会社に依頼する形が費用対効果の面で合理的です。依頼時は「Wixからの移行であること」「独自ドメインの取得元」「ページ数」の3点を伝えると、見積もりが早く正確になります。この3点は見積もりの前提が大きく変わる要素なので、確認せずに金額だけ提示する会社には注意してください。後から追加費用が発生しやすくなります。

よくある質問

Wixから移行すると検索順位は下がりませんか?

同じ独自ドメインを使い続け、旧ページから新ページへの転送設定(リダイレクト)を正しく行えば、検索評価は基本的に引き継がれます。切り替え直後に一時的な変動が出ることはありますが、静的HTML化で表示速度が改善するため、中長期ではむしろ評価にプラスに働きやすいです。

Wixから静的HTMLへの移行費用はどのくらいかかりますか?

制作会社に依頼する場合、5ページ程度の事業サイトで10万円前後、10ページ規模なら20万〜30万円程度が目安です。単純な移植か、デザインも刷新するリニューアルかで金額が変わります。WordPressなどのCMSを入れる場合と比べると、静的HTMLは構造がシンプルなぶん費用を抑えやすく、移行後もサーバー代(月数百円〜千円程度)だけで運用できます。

移行にはどのくらいの期間がかかりますか?

5〜10ページ規模なら、棚卸しから公開まで1〜2か月程度が目安です。旧Wixサイトを公開したまま並行して作業できるため、移行期間中もサイトが見られなくなることはありません。Wixでドメインを取得している場合は移管手続きに数日かかるため、早めの着手をおすすめします。

Wixを解約するとドメインはどうなりますか?

Wixでドメインを取得している場合、サイトの解約とは別にドメインの契約が残ります。解約前に他社への移管手続きを済ませておけば、同じドメインを新サイトで使い続けられます。移管には認証コードの取得が必要で、取得から反映まで数日かかることがあります。

HTMLの知識がなくても移行後にサイトを更新できますか?

文章の軽微な修正であれば、制作会社の保守サポートに依頼するのが一般的です。営業時間やお知らせなど頻繁に変わる部分だけ更新しやすい作りにしておく方法もあります。月に何本も記事を書きたい場合は、ブログ部分だけWordPressなどの更新できる仕組みと併用する構成が現実的です。

まとめ

Wixから静的HTMLサイトへの移行について、理由と手順を解説しました。要点は次の3つです。

  1. Wixにはエクスポート機能がないため、移行は「作り直し」が基本。ただし文章・画像・ドメインの評価は引き継げる
  2. 移行は「棚卸し→サーバー・ドメイン確認→再構築→切り替え→解約」の5手順。解約は必ず最後
  3. 静的HTMLは、内容が安定した事業サイトにとって速度・費用・資産性の三拍子が揃った選択肢

表示速度の改善は、見えないところで帰ってしまっていたお客様を迎え直す施策です。まずはPageSpeed Insightsで現状を測り、手順1の棚卸しから今日始めてみてください。

移行の手順、整理できましたか?覚えておいてほしいのは「Wixの解約は一番最後」、これだけは絶対です。

はい。まずは今のサイトの文章と画像の棚卸しからですね。それなら私にもできそうです。

その通りです。棚卸しとドメインの確認まで進めば、あとは専門家に相談してもスムーズですよ。速くて信頼されるサイトで、お客様を迎え直しましょう。

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